1995年12月号

PDAとは?

まずPDAというものは何であるかから始めよう。Personal Digital Assistant(PDA)とはAppleが提唱したコンセプトであり、いわゆる電子手帳から一歩踏み込んで、個人の必要とする情報を手軽に、身近に、便利に管理しようとするものである。批判を承知で言えば、サブノートよりも小さなパソコンであるとも言えるだろう。当然超携帯パソコンなのだから、いつでも、どこでも通信やファックス、表計算、データベースなどが出来なくては意味が無い。

現在、日本国内で入手できるこの分野の製品としては、HP200LX、ザウルス、オアシスポケットそしてNewtonがある。実用的に日本語を使用し、日常的にバリバリ使いたいという方で、今までパソコンを触ったことがない方にはザウルスを、DOSの知識もあり、やっぱりキーボードが必要という方にはHP200LXを、長文の文章入力をどこでも可能にしたい方はオアシスポケットを、そして全てのMacintoshファンの方には独断と偏見で、Newton Message Padをおすすめしておこう。

Newtonの魅力

Newtonの魅力は、アシスト機能にある。Lunch Suzuki on Mondayと書いてアシストボタンをタップすれば、今度の月曜日の正午に、鈴木氏とのアポイントを自動的にスケジューラーに入力してくれる。また、グラフィックの表示にも強みがあり、現在のMP120でも30秒ほどのムービーを見ることが可能である。もちろんサウンド付きだ。

さて、Newton、正確にはNewton Message Padには、4種類のラインアップがある。Original Message Pad (OMP)、Newton Message Pad (NMP) 100, 110, 120で、現在国内で入手できるのはNMP120のみである。Newtonの発売当初は、当然日本語が通らなかった。それでもNewtonの魅力に個人輸入で入手され、先進的なPDAとして使って来られた先輩諸兄のご努力があってこそ、今日のNewtonの日本語環境が成立して いるのであろう。

名古屋大学の河口氏が、Wabumiという独自の日本語環境をリリースされたのが、昨年(94年)秋のことであった。これは、HP200LXでも使われている恵里沙フォントを利用して、日本語テキストをグラフィックとしてNewton上で表示するというものである。通信などのログもこのWabumiを使えば読むだけはNewton上でできるようになった。

また、WabTermという通信ソフトでは、漢字こそ使えないものの、ひらがな、カタカナ、アルファベットを利用してNiftyなどのBBSへのアクセスも可能になっている。さらに、現在ではNewtonの横向き表示をも可能にしている。

本年春(95年の春)のExpoの大きな話題の一つが、Newton上のサードパーティー製日本語環境であるUniFEPの発表であった。お金を握り締めて会場の Enfour のブースで出かけられた方も多かったようだ。UniFEPとは、Newtonのことえりだと考えられる、但し手書き認識ではなく、ソフトキーボードからの入力になる。発売以来、頻繁にバージョンアップし、最新のv 1.3では、ほぼストレス無く、日本語入力が可能になった。

また、アップルからはニュートン日本語ソリューション開発トライアルキットが販売され、デベロッパー向けの日本語開発環境も整いつつある。

Wabumiの発表からようやっと1年が過ぎようとしている。Newtonにおける日本語環境は、まだ端緒についたばかりだと言えよう。Macintoshにおける日本語環境が約10年を費やして現在我々が利用できる便利なツールへと進化したように、Newtonの日本語環境はこれからが本物になってゆくのではなかろうか?Newtonユーザーは、初期のMacintoshユーザーが体験したような、日々便利になってゆく日本語環境の成熟過程を、一緒に歩むことができるのである。

ただでさえ少ない、Newtonに関する情報であるが、商用BBSでも活発な議論が行われているし、さらに突っ込んだ議論をしたい方には、Newton Japanというユーザーグループもあることをお知らせしておこう。NiftyserveではSMACLIFE(現在はSBNN)、FJAMEP 、FENOTE などの該当会議室がある(現時点で最も充実しているのは Newton Users' Forum であろう)。Newton Japan UGへは、newtonj@cyborg.ne.jpが問い合わせの窓口になっている。

次回は、Newtonでできること、あれこれを取り上げる。取り上げて欲しいことなどあれば、編集部あてご遠慮無く問い合わせて欲しい。


この文章は1995年11月18日発売のMACLIFE誌に掲載された記事です。従って現時点での情報と異なる点があることを予めご了承ください。