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1997年6月号 「発想する紙/ Newton OS を考える」
以下は、多村さんとのインタビューである。 今里(以下省略)「エキスパンドブックってどんなものでしょう?」
多村「MP130 を買って一週間、 Newton の楽しさにどっぷり使った僕は「この楽しさはどこから来るのか?」と考えました。思いつく限りのことをメモし、エキスパンドブックにまとめたのが『発想する紙/ Newton OS を考える』です。2月に開かれたマックワールドエキスポでボイジャー社が開催したエキスパンドブック横丁に出展したところ、あっと言う間に売りきれてうれしい悲鳴をあげました。」 「Newton OS に関して、どのように考えていらっしゃいますか?」 多村「かつてマッキントッシュは、電脳のハサミとノリを僕たちに与えてくれました。しかし、時代の変化とともに、マックはどんどん複雑化してしまい、もとのシンプルさを忘れてしまったように思います。気軽な家電品になるには少々荷が重い。アップルの家電品市場参入の第一弾として MessagePad は生まれてきました。より直感的なペン操作のインタフェース、ユーザーの「やりたいこと」を理解する Assist 機能など、そこに込められたテクノロジーには目を見張るものがあります。」 「もう少しご説明戴けますか?」 多村「実際 Newton OS は、適当になぐり書きした内容を、文字なのか図形なのかはたまたコマンドなのか認識します。そんなちょっとしたことにこれほど CPU パワーを費やしている OS というのは他に類を見ません。まさにアップルが「電脳が家庭に入っていくとはどういうことか」と考えた英知の結晶なのです。MessagePad は「電子のメモとは何か、メモをとるということはどういうことか」をアップルが真正面から考えることから生まれてきました。人間のやりたいことを助けてくれる「あなたのことを考えてくれる OS」それが Newton OS だといえるでしょう。」
「メモなんて紙のメモでもいいじゃないか」と思われるかもしれません。でも紙のメモではバラバラに散乱してしまうという問題があります。手帳ならそういうこともないのですが、毎日持ち歩いていると紙はボロボロになってしまうのです。それに、手帳では不要になったメモを捨てることもできません。書き直しもができないという問題もあります。 MP130 はどんなにたくさんメモしても体積は増えないし、紙のように痛むことはないから、メモ帳にはぴったりです。保存のための操作が不要なことも見逃せません。まさにハットメモには最適なのです。」
さて、皆さんはこのインタビューを読まれてどのように思われただろうか?昨今取り上げられることの多い、Windows 97 マシンと Windows CE 機が、単純に「デスクトップ機の情報をかいつまんで持ち歩けるようにする」だけのように見えるのに対して、 Newton OS 機の場合は、いかにしてユーザーの事を助けるかという点に重点が置かれている。両者を比較することに、果たして意味があるのだろうか?
この「発想する紙/ Newton OS を考える」を読むと、普段楽しく使っている Newton Technology の素晴らしさがどこにあるのか、大変整理されたかたちで理解することができる。また、後半には MessagePad 2000 と eMate 300 に実際に触ってみたインプレッションも紹介されていることを付記しておこう。
Personal Digital Assistance という言葉を考えたのが Apple Computer Inc.なら、この名前を捨てて MessagePad 2000 というハンドヘルドコンピュータを発表したのも Apple である。米本国では、大変な売上を記録していることが発表されている。この記事が皆さんの御手元に届くころには、果たして日本語対応版の MessagePad 2000 が発表されているだろうか?
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