1998年1月号

eMate 300 で日本語が使える!

今月は非常に嬉しいニュースをみなさんにご紹介しよう.このコーナーではすでに9月号で紹介した Apple eMate 300 が簡易日本語入力ソフトを搭載して日本で発売されることになった.米国ではこの eMate そして MessagePad 2000、2100 と次々と新機種が発表され非常に好評だと聞いているが、日本では MessagePad 130 以降の機種のリリースは一切発表されていない.これは、日本のニュートンユーザーはもちろん、全ての Apple ファンが待ち望んでいたニュースであろう.今回は、この仕掛け人である The Newton Shop 店長の大杉氏にインタビューしてみた.

今里

「今回の日本語化企画の経緯を伺えますか?」
大杉「この eMate は新しい Newton ファミリーの一員ということで、米国での一般販売が始まる前から独自に入手し、店内でお客様にデモンストレーションを行ってまいりました.お客様がこの eMate を前にして同様におっしゃることは「なぜ日本で発売されないの?日本語で動かすことができないの?」ということでした.

さらに当店のホームページ上で日本での発売についてのアンケートを募集しましたところ300通を越えるご要望の回答を得ることができました.日本のアップルコンピュータはこの eMete 300 の日本での発売を計画していない、ということを聞いていましたから、それでは Newton 専門店である当店の力でなんとかできないものかと、今回の企画をスタートさせました.」

「一から日本語環境を作られるには、相当なご苦労があったのではないですか?」
「まさにそうですね(笑い).今回の企画は、現在発売中の MessagePad 130 にバンドルされている日本語環境 UniFEP を開発、製造している株式会社エヌフォーの全面的なご協力を得ることができ、英語版の eMate 300 に簡易日本語入力ソフト「にほんごメイト」を付属して発売致します.お客様に安心してお使いいただくための当店独自の1年間のハードウェア保証も設けました.」

「具体的に「にほんごメイト」とはどういうものなのでしょうか?」
「基本的にはノート上で日本語をキーボード入力し、表示させるというものです.もちろん仮名漢字変換もサポートしています.日本語環境を提供するものではありませんので、残念ながら Names や Dates といった部分では日本語を扱うことはできません.しかし eMate 300 は非常にタッチの素晴らしいキーボードを装備していますし、OS は今回教育用としてこの eMate が開発されたことからお分かりのように、子供たちにも扱いやすい Newton OS 2.1 で作動します.そのためワープロやメモといった使い方を楽しんでいただくことができますし、ユーザーのみなさんで工夫していただければ、この eMate の新しい魅力にきっと触れていただくことができるはずです.

見やすい丸ゴシックフォントとあわせて、今回のソフトはエヌフォーの Newton チームのご努力で、非常にクオリティーの高いものが出来上がったのではないかと自負しています.

「すでにショップの顧客のみなさんには先行予約を開始されているようですが、反響はいかがですか?」
「電子メールで毎週当店の顧客のみなさんに Newton の情報をご提供させていただいいているThe Newton Shop E-Mail News で特別予約を受け付けたのですが、最初の一週間で60個の枠が全て埋まってしまいました.これは予想以上の嬉しい反応で、非常に大きな手ごたえを感じています.11月15日からは一般の方に向けても販売を開始します.

「今後 eMate 用の周辺機器やソフトウェアは取扱っていかれますか?」
「増設用のメモリーカードなどの周辺機器や海外のソフトは12月より取り扱いを開始いたします.さらに当店では毎月1タイトルずつオリジナルソフトを開発、販売しているのですが、このラインアップにも eMate 用のものが登場の予定です.まずは eMate 本来の用途に即した、小さいお子さんが平仮名を覚えることができるような「あいうえおキーボード」が近々発売の予定です.

「ご自身で eMate 300 をお使いになってみられていかがでしょうか?」
「Newton ですから当たり前なのですが、ハードディスクがないため PowerBook のように音がうるさいこともないし、1.8kg と軽量で一度の充電で24時間も作動します.しかしそれ以上に、この魅力的なデザインのコンピュータが部屋に来たことが嬉しいんです.もともとは私がこの eMate 300 に惚れ抜いて、日本語開発者たちにわがままを言って作ってもらったようなものですから(笑い).ぜひ多くの方にこのAppleの考える「未来」を体験していただきたいと思います.

「本日は、ありがとうございました」

「どう致しまして」


日本におけるニュートンを取り巻く環境が、必ずしも満足のゆく状況でないことは、皆さんも実感なさっていることと思う.しかしながら現状を何とかして切り開いてゆこうというエバンジェリズムについては、今回の The Newton Shop の大杉氏をはじめとして頭の下がる思いである.個人的にも一日も早く eMate 300 で動く日本語を試してみたいものだ.


この文章は1997年12月18日発売のMACLIFE誌に掲載された記事です。従って現時点での情報と異なる点があることを予めご了承ください。