1998年5月号

Apple Discontinues Development of Newton OS

MACWORLD Expo/Tokyo1998 の興奮もさめやらぬ、去る2月27日、Apple Computer, Inc. は、Newton OS の今後の開発を中止すると発表した.(詳細は、http://www.apple.com/pr/library/1998/feb/27newton.html)その理由として Apple Computer は、ソフトウェア開発に関わる全ての資源を、Mac OSの発展ために集中させるという戦略に基づくものと説明している.

AppleDiscontinues

我々 Newton ユーザーにとっては、過去の eWorld の閉鎖とともに大いにショッキングなニュースである.アップルは、現行機種の MessagePad 2100 および eMate 300 については、現在の在庫製品の販売と既存のユーザに対するサポートを継続するとしているが、どの程度の在庫があるのかも正式には公表されていない.

Newton OS に代わるものとしてアップルは、eMateで開拓したような低価格帯のモバイル・コンピューティングの分野に力を入れ、1999年には Mac OS ベースの製品を市場に投入するとしている.現状ではこの新機種については全く想像の域を出ないが、残念ながらデスクトップ用の OS を新機種にそのまま援用しようとする姿勢は、Windows CE そのものであり、もし所謂携帯端末というジャンルに製品が投じられるとすると、快適なユーザーインターフェースの提供は困難であると言わざるを得ない.果たして eMate 程度の大きさの画面で快適に Mac OS が使えると言えるだろうか?

Apple Computer のこの発表に対して、早速に米国では Newton Developer Association が行動を起した.Apple 本社前で抗議集会を開き、話し合いの場を持った.(詳細は、http://www48.pair.com/penbase/NU/NDA/)ミーティングでの結論としては、Apple は Newton Technology を売り払うことを嫌がっているわけでなく、折り合いのつく会社があれば喜んで話にのるのだそうだ.彼らの熱いところは、もし誰とも折り合いがつかなければ、NDA 自身で買うということまで検討しているところであろう.

NDA

一方、日本国内での動きも活発である.日本語版の Newton Application を開発している、シエスタウェアのバスケさんは、早速に Newton Never Dies キャンペーンを展開している.(http://www.saryo.org/basuke/newton-never-dies/index.html)こちらには既に、国内で活発に Newton でのプログラマーから熱いメッセージが寄せられている.

さて、一月末に MessagePad 2100 日本語版を発表したばかりの株式会社エヌフォーは、このニュースにどう対応するのだろうか?エヌフォーからのプレスリリース(http://www.enfour.co.jp/newton/mp2100/announce.html)によれば、この発表は、かねてより折り込み済みの事態であり、MessagePad 2100 日本語版に関しては、変更、及び訂正は一切ないとのことだ.出荷数量、MessagePad 2100 日本語版用ソフトウェアの開発・販売、ソフトウェア・ハードウェアサポート体制、MessagePad用周辺機器の開発・販売、国内外のNewtonデベロッパとの協力などは、発表当時の計画のまま進めていくとしている.

EnFourPressRelease

以上のことから、国内における Newton User は、まだまだ十分に新型 MessagePad を使いこなしてゆける状況にあると判断できる.ここに来て、Newton OS 2.1 対応の日本語版ソフト開発も大詰めに来ているようだし、正式発売が4月24日に延びた MessagePad 2100 日本語版の NLK ベータ版バンドルによる先行発売も、順調に数を延ばしており、バックオーダーも増加しているようだ.

ただし、近い将来に現行機種のラインも停止するであろうことは間違いない.今が入手の最後のチャンスとも言えるだろう.残念ながら新機種を友人に気軽に薦めることはできなくなったが、本当に Newton の魅力に惚れているなら、現機種で三年や五年は引き続き楽しむことが出来ることも、また事実である.

Newton OS の開発が中止されたからといって、我々の目の前にある MessagePad が消える訳ではないし、eMate が動かなくなるわけでもない.ユーザーとしては冷静に行動したいものだ.そして、手元にある Newton を一日でも長く使いこなしてゆこうではないか!


この文章は1998年4月18日発売のMACLIFE誌に掲載された記事です。従って現時点での情報と異なる点があることを予めご了承ください。