1998年10月号

Newton の最新環境

さて、今回は Newton の、最新情報や、環境をお話ししよう.
Heaven or Hell を使う
HeavenOrHell さて、Newton MessagePad 2100 やアップデートした MessagePad 2000、メモリ増設をした eMate 300 などで頻発するようになった -10061 Error を体験された方は多いことだろう.もともとは 4MB という広大な DRAM を想定していなかった Newton OS のバグであり、これを防ぐには OS のアップデートしか方法は無い.当然のことながら、今となっては絶望的な状況だ.

ここに登場したのが、'61 Memory Fix などのアプレットなのだが、決定版は Heaven or Hell であろう.多くの Newton 用アプレットを開発されているバスケさんの作品であり、http://www.saryo.org/basuke/index.html や、NIFTY SERVE の FNEWTON のライブラリなどから入手できる.

"Heaven or Hell" は、基本的には -10061 Error を予防するためのもので、定期的にシステムのチェックを行い、エラーを引き起こしそうな場所を見つけ、事前に修復するものである.作者のバスケさんは、-10061エラーを完全に無くすことはできないとしているが、個人的にはこのアプレットをインストールした後、 -10061 Error の出る確率は月に一度くらいのものであり、事実上はほぼ完全に無くなった.

Gothic Everywhere!
株式会社エヌフォーから発売されている Newton Language Kit を愛用している方も多いことだろう.私もその一人なのであるが、 NLK と言えども万能では無く、大方の英語版のソフトで、文字化けした所謂トーフを目にせざるを得ない.しかしここに Gothic Everywhere! という救世主が登場した.このアプレットも Heaven or Hell と同じくバスケさんの手によるものである.

Notes, names, Extra, Works, NIE, NetHopper, TimeTrax, HyperNewt2.62, newtToDo 1.04b2, SuperNotePad 1.86, Alto Happy Names Button, PocketMoney(J)、Gift Reminder, EZ Presenter, Dash baord 1.1.1b1, PowerBack, BackDrop Builder などのアプレットで、ほぼ完全に文字化けから解放された.

GothicEverywhere

このアプレットの開発は、非常に興味深い道のりをたどっている.そもそもは、あるMailing List 上でベータ公開の知らせがあったのだが、あまりの反響の大きさに、専用の ML を開設してベータテストのやりとりが行われた.百名以上の熱心な Newton User が、それぞれの環境で、各々が愛用しているアプレットで、どこまで日本語化されているかをどしどしレポートする.それを即座にバスケさんが対処し、アップデート版をメールに添付して公開するという方法をとっている.最初のリリースであった、b.1 の公開が8月4日で、8月16日には b.11 にまで進化するという驚異的なスピードである.

開発なさっているバスケさんのご努力はもとより、熱心にベータテストをする Newton User の皆さんの Newton に関する熱意に感心するばかりである.また、ML 上で各々のアプレットの、どのバージョンでどのソフトのこの部分が日本語表示されるかを、丁寧にフォローなさっている Penguin's Newton (http://member.nifty.ne.jp/penguinnewton/) 主宰の野原さんのご努力にも敬意を表したい.この状態を見る限り、まだまだ Newton とニュートンユーザーは力強く生き残ってゆくだろう.

読者の皆さんが、この原稿を読まれるころには、正式版がバスケさんのウエッブや、 FNEWTON のライブラリにも公開されていることだろう.

遂に登場した Newton 用辞書
UniDict 最後の話題は、永年の Newton ユーザーの夢だった、辞書の登場である.と言っても NLK 用の拡張辞書の類ではなく、Newton 上で使える本物の英和、和英辞書だ.

株式会社エヌフォーから発売される、UniDict は、待ちに待った英和、和英の辞書である.Note 上に書いた英文を選択し、付属の「英<>和」ボタンをタップすると日本語訳の候補がサッと現れる.日本語を選択して同じボタンをタップすると、今度は英文の候補が出る.

もちろん、UniDict のアプレットを立ち上げて、ここに入力して調べることも可能である.最初の候補はすぐに表示され、引き続き別の候補をどんどん検索しているので、とても軽快に動作する.ベータテスト中の現在のバージョンでの、気になるアプレットの容量は、辞書ファイルが 2640K で、インデックスファイルが 259K となっている.このサイズであれば、16MB以上のカードにわざわざ買い替えること無く、現在のカードになんとかインストールできるのではないだろうか.

駆け足で紹介した、最新の Newton 環境をどうお考えになっただろうか? Newton がディスコンになっても、まだまだ Newton ベンダー、デベロッパー、そしてユーザーは頑張っている.次回は、定番となっている代表的なアプレットを紹介する予定だ.


この文章は1998年9月18日発売のMACLIFE誌に掲載された記事です。従って現時点での情報と異なる点があることを予めご了承ください。